最近ホリエモンさんがTwitterで以下のような発言をしたことで、かなり話題になっています。
誰でもできる仕事だからです
「なんで保育士の給料は低いと思う?」低賃金で負の循環 (朝日新聞デジタル) - https://t.co/EuidhabdJ1— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) 2017年10月12日
最初このツイートを読んだ時には、「え?なんでこんなに見下した言い方するの?」とムッとしてしまいました。
でも、その後のツイートも辿ってみるとすぐに冷静になって、自分の考えを改めることになります。
結論から言うとホリエモンさんの考え方は合っています。
保育士の仕事は資格なしで誰でもできる現状があるのは事実。
ホリエモンさんが言いたいことは保育士の仕事を下に見ることじゃないのですよ。
もっと建設的な話です。
保育の仕事の専門性とは
ホリエモンさんは、こんなこともおっしゃっています。
誰でも(やるとしたら大抵の人は)できる(大変かもしれない)しごとだから希少性が低く(コンビニバイトなどと同様に)給料が上がらない構造になっている
確かに子どもと遊ぶだけでしょう?というイメージで、子どもが特に好きじゃなくても仕事ならできるって思っている人は多いかもしれません。
やりたいかどうか、ではなくて、できるかどうか
を視点に考えると、正直言ってできると思います。
そして、それこそが変えていかなければいけないことなんだと感じました。
Twitterフォロワー数40万超えのてぃ先生も以下のようにおっしゃっています。
子育てと保育の違い
子育て経験を保育に活かすことはできます。
でもね、子育て経験があるから保育もできる!と思ったら大間違いです。
当然ですが、大前提として他人の子どもを預かるという責任がそこにはあります。
そのうえで、近年では幼児教育が熱心になり、幼稚園並みのカリキュラムを行う保育園が当たり前になっています。
0歳児から英語のシャワーなんて謳い文句も珍しくありません。
「ただ預かる保育」ではなく、「育てる保育」になったということです。
それに、1人で1歳児3人見るって本当に大変な事ですよ!
1人泣いて、1人走り回ってて、1人遊ぼうって手を引っ張ってくる…。
そんなことも珍しいことではないです。
保育士は、各年齢がどんな成長段階なのかという知識があって、どういう対応をするのが最善なのかという経験もあります。
それこそが保育士の専門性なのですが、可視化しづらいのですよね…。
+α専門性を持てばお給料は上がります
保育士は専門職ではありますが、お給料が上がりづらい現状は事実です。
フローレンス代表 駒崎さんが詳しくお話してくれています。
先に書いた通り、保育園でも幼稚園並みもしくはそれ以上の+αが求められる時代です。
となると、保育士資格+αを持っているとかなり重宝されます。
- 英語を話せる保育士
- 幼児の体操教諭資格を持った保育士
- リトミック講師ができる保育士
色んな+αがあると思います。
私の働いている園では、すでにこういった+αの保育士がたくさん在籍しています。
音大卒で素晴らしいピアノ演奏ができるS先生は、姉妹園全てのMusicのクラスを担当。子どもの発表会では、ずっとバックでピアノを弾いていてくれて本当にすごいです!
英語を話せる帰国子女の保育士はたくさんいます。外国人の先生とEnglishレッスンを担当しています。
みんな、この+αを評価してもらってお給料は上がっています。
お給料を上げたければ、+αを身につけた上できちんと評価してもらえる園で働けばいいのです。
保育の仕事の効率化?
ホリエモンさんは、以下のようなこともおっしゃっています。
当たり前のこれまでをなんら改善しようとしないからダメなんだよ。
例えば壁の装飾とか本当に必要?IT化もだいぶ遅れてるしね
保育士の多くは、学校を卒業してすぐ保育士となった人たちです。
一般企業に勤めた経験がある人が、保育園で働いてみるとすごく特殊な世界だと感じると思います。
ロボットがホテルの受け付けをするような時代に、パソコンを操作できない人がゴロゴロいるのが保育園という職場です。
また、それを良しとしている風潮があり、未だに毎月の園だよりも手書きという園もあるほど。
私の勤めている園の代表者は、保育のことは全くの素人という状態で株式会社を立ち上げて保育園を経営しています。
いまでは普通になった幼保一体型というものも、10年前から実践していた凄腕です。
だからこそ、保育業界の当たり前がおかしいな?と感じて取り入れていなかったりします。
壁面装飾が必要かどうか
ホリエモンさんのおっしゃっている壁面装飾についてですが、うちの園ではやっていません。
でも、飾っているものはあります。
どういうことかというと、子どもたちと一緒に行う「造形」で作った大作を飾っているのです。
壁面装飾って、だいたい得意な保育士に任されますよね?
任された保育士は、好きな事だしどんどん凝ってしまって、すごく時間をかけてしまうこともあります。
それを見たリーダーや主任は、「すごいね!いいね!」と褒める。
次はさらに良い壁面装飾をしようとする…。
一見うまく回っているようですが、一般企業で言えばこれはダメですよね。
子どもの活動に直接関わることならともかく、壁面装飾にそれほどの時間をかけるべきではないです。
そこで、「造形」です。
そういったことが得意な保育士が中心になって、家庭ではできないようなダイナミックな造形遊びの時間を保育に取り入れます。
最後に保育士が素敵に飾れるような仕上げをして、壁面に飾るのです。
月に1回、季節に合わせた内容で造形活動をすれば、単なる壁面飾りよりもっと素敵で保護者も喜ぶものになると思いませんか?(イメージが湧かない方のために、いずれ記事でご紹介しますね。)
連絡帳への記入もすごく時間がかかるよ
ホリエモンさんが、他にどういった業務を効率化できると思ったか気になりますが、「毎日の連絡帳への記入」も時間のかかることの1つです。
壁面装飾と違って毎日のことですからね…。
これについては、以前勤めていた園が0~2歳児だけで100名という大規模保育園だった時に問題になりました。
連絡帳には、「今日は園庭で〇〇をしました♪」という全園児共通(お風邪などでお留守番の子ども意外)の書き出し文がありました。
1クラス数十人分の連絡帳に、同じことを書くのは無駄だよねってことで…。
どうしたかといういと、共通の保育活動については教室の出入り口に掲示するようにして、お迎えの時に見てもらうというスタイルにしたんです。
連絡帳には、「何かお伝えすべきことがある子どもにだけ記入する」ということになって、連絡帳に何も書かないようになりました。
確かに時間は短縮できた。でも…
保護者からは「さみしい」「もっと個別の様子が聞きたい」という声が当然出てきます。
保育士としても伝えてあげたい!という気持ちがあります。
ということで、共通の活動について掲示することは続けて、短くても個別の言葉を連絡帳に書くというスタイルに落ち着きました。
それくらい、連絡帳って保護者にとっても保育士にとっても大切な役割なんです。
まとめ:ホリエモンさんの言うことには一理ある
ホリエモンさんの発言まとめと私なりの解釈
- 「保育士は誰でもできる」
保育士の専門性は可視化しづらい。
やろうと思えば誰にでもできるのは確かかもしれないけど、そんな保育をしている保育園はいずれダメになります。 - 「当たり前のこれまでをなんら改善しようとしないからダメ」
この意見には賛成です。
壁面装飾にはぜひ造形を取り入れて時間を有効に使って欲しいと思います。ただ、何でもかんでも効率化ではなくて、大切なものは見失わないようにする注意は必要だと思います。
保育士としての専門性を高める努力、保育業務の効率化を検討する努力、まずはそこから頑張ってみなさいよってことが、ホリエモンさんの真のメッセージなのかな?と私は受け取りました。
保育士の皆さん、頑張りましょうね(^▽^)/
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