子どもが好きで保育士になったのに、マタハラで苦しむ事になるなんて…。
そう思っている人も多いのではないでしょうか?
女性の多い、子どもを育てる職場でマタハラ!?と思うかもしれませんが、事実、保育園でマタハラが行われているのが現状です。
妊娠中は体調の変化も多く、精神的にも不安定になりがちです。
そんなときにマタハラなんで本当に苦痛でしかないです…。
保育園で実際にあるマタハラとはどのような事なのか、事例や実体験を紹介します。
マタハラとは?
マタハラとは、マタニティー・ハラスメントの略です。
職場などでの、妊娠・出産に関するいやがらせ。妊婦に直接いやがらせを言ったりしたりするほか、妊娠を理由に自主退職を強要する、育児休暇を認めない、妊娠しないことを雇用の条件にするなどの行為も含まれる。
保育園でマタハラが起きる原因
なぜ保育園でマタハラが起こりやすいのか、それは圧倒的な原因は保育士不足です。
保育士の採用は年度初めが多く、クラスの運営も1年単位で行われています。
年度途中で産休・育休に入ると、経営者や園長にとっては新たな人材を確保しなければなりません。
しかし、年度途中で希望にあう保育士が見つかるとは限りません。
それが1年の間に複数人となると、保育士確保も大変になります。
この事から、保育士の妊娠は現場で嫌煙される傾向にあります。
保育園でのマタハラ事例
実際に訴訟になった件もあります。
判決によると、育休中だった女性は2018年3月、緑友会から復職を拒否され、子どもが1歳になる直前の同年5月に解雇された。
緑友会側は、女性が園長に不適切な言動を繰り返し、解雇に代わる手段はなかったなどと主張したが、後藤裁判長は「解雇に相当する問題行動と評価するのは困難」と指摘。出産後1年未満の女性労働者の解雇を原則禁じた男女雇用機会均等法にも違反すると判断した。
これは育休をきっかけにして、他の理由含め復職をさせなかったという事ですね。
産休・育休が解雇のきっかけになってしまうなんて、許せないですね…。
他にもこんなマタハラの事例があります。
- 妊娠を報告したら、園長からの態度が一変し無視されるようななった。
- 暗黙のルールで、妊娠したら退職になる。
- 妊娠の順番が職員の中で決まっていたり、1年に何人までと制限がある。
- 妊娠中なのに、力仕事を強要される。
- 妊婦健診や通院の為の有給所得や、シフト変更が出来ない。
保育士のマタハラ実体験
これは私が園長からされたマタハラ実体験です。
・結婚するかもしれない時、「妊娠してないよね?」と聞かれる。
何月に結婚するのか何度も聞かれ、「1年に結婚する職員は2人まで!」と言われる。
⇒聞き方から、年度途中で妊娠したり、退職されたら困るというのをとても感じました。
・妊娠報告しても「おめでとう」はなし。
更につわりで迷惑かけるかもと早めに報告した事が気に入らなかったのか、ため息つかれ「普通はこんなに早く報告しない、非常識」と言われる。
⇒園長だけでしたね、おめでとうと言ってくれなかったのは。それどころか、早めに報告した事を咎められ非常に嫌な思いをしました。
・妊娠中でも運動会で大道具係にさせられる。
⇒当日は保護者の方が大道具を運んでくれるので、指示だけでいいよ!と言われたのですが、練習や準備は自分でしなければならず、結局運ばなくてはならなかったです。
同僚や後輩がフォローしてくれて助かりました。
・妊娠中のシフトはほぼ遅番。
⇒私と1~2年目の保育士1人の組み合わせ。他の職員も帰って2人しか保育士がいないのに、体調悪くなったらどうするのか…と思ってました。
・私より早く妊娠した保育士が、平日に有給をとって妊婦健診に行っているのを迷惑そうにする。
⇒私は自分の都合もあり、出勤が休みの土曜日に妊婦健診に行っていましたが、この話を聞いて「平日に妊婦健診行く事って嫌がられるんだ…」と思いました。
もし実際にマタハラにあったら
マタハラをするという事は、その保育園は保育士不足が深刻か、パワハラが行われやすい職場という事になります。
マタハラはパワハラやモラハラとも関連があります。
マタハラが起こる職場というのは、健全ではないと言うことです。
もちろん、経営者目線からしたら妊娠して人手不足になるのは悩ましい事です。
しかし、だからといってそれを妊婦に言葉で言っていいわけではありません。
就職してすぐや、年長児担任中の妊娠など、もちろん妊娠のタイミングを考える事も必要です。
私がマタハラを受けた時は入職して5年目、結婚3年目、年長児担任でもクラスリーダーでもありませんでした。
そこれどころか、前年の5歳児担任の時は妊娠しないように気をつけていたくらいでした。
それなのに、なぜ自分がこんな理不尽なマタハラをされなければいけないのか、本当にわからなかったです。
当時は若かったので園長に言い返す事が出来ませんでしたが、今になって思うと「それマタハラですよ。やめて下さい」とはっきり言えばよかったとも思います…
勇気を持って辞める事も必要
年度途中で辞めるのは勇気が必要ですよね。
周りの保育士や子どもたちにも迷惑をかけるかも…と、考えるのは当たり前です。
しかし、お腹の子どもに何かあったら後悔するのは、あなたです。
保育士の替わりはたくさんいます。
寂しいですが、子どもは次の保育士にも慣れていきます。
でも、お腹の子どもを守れるのは、お母さんだけです。
私は特に体調を大きく崩す事なく出産し、産・育休を取って復帰しました。
しかし、その後も園長からのパワハラがありました。
今はその職場を辞めていますが、妊娠中に何かあったら後悔していたと思いますし、辞めたからこそ当時の事がマタハラやパワハラだったとはっきり気づく事が出来ました。
働いている時は忙しい事もあり、あまり考えないようにしていたり、波風を立てないようにとしていました。
私自身、妊娠して年度途中で産・育休に入る事に引け目を感じていたのかもしれません。
同僚達が理解してくれ、サポートもあったので働き続けられたのが大きいです。
保育士は辞めても復帰出来る!
保育士はいつになっても働ける資格です。
正社員、短時間正社員、派遣、パートと、働き方も選べます。
今は自分と子どもの事を最優先に考える時間として、辞める事も考えてみてもいいと思います。
妊娠中は体調の変化が大きく、気持ちも不安定になります。
だからこそ、生まれてくる子どもの事を考えてハッピーに過ごしたいですよね。
そんな時にマタハラを受ける事は、本当におかしな事です。
マタハラをするような職場で働き続けてもいいのか。
これをきっかけに考えてみる必要があると思います。