保育士の悩み

自分の保育観と合った保育園で働こう!保育方針、保育目標の大切さ

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保育観って何?

「保育観」とは、保育に対しての理念、つまり自分が保育をするに当たって大切にしたい考えの事です。
人それぞれ感じ方や価値観が違うように、保育観も1人ずつ違います。
しかし、似たような保育観を持った人で保育を行う事で、保育観に基づいた保育を行う事が出来ます。

保育目標、保育理念、保育方針とは?

各保育園には、それぞれの保育目標や保育理念があります。
HPや、保育園の玄関などに掲示してある場合が多いです。
それぞれの言葉を簡単に説明すると、以下のようになります。

保育理念 根本的な考え方、理想、抽象的な表現
保育方針 保育のめざす方向、具体的な表現
保育目標 育って欲しい子どもの姿

例とすると、

〇〇保育園

保育理念 生きる力を育てる 保護者と地域と協力し信頼される保育園
保育方針 子どもを主体とした保育、自然体験を主ととした保育
保育目標 自己表現出来る子ども、健康で元気な子ども

となります。

こうやって考えると、保育理念、保育方針、保育目標がよりわかりやすくなると思います。

保育方針、保育目標が同じでも、アプローチ方法は違います!

それでは、同じような保育方針、保育目標の保育園なら、同じような保育をしているのでしょうか?
答えは「違う」という事になります。

なぜなら、同じ保育方針、保育目標でも、そこに至るまでのアプローチ方法が違うからです!!
ここはとても大事な事です。

私は以前、複数園ある社会福祉法人の保育園で働いていました。
もちろん同じ法人なので、保育理念、保育方針、保育目標は同じです。
しかし、研修で同じ法人の別の保育園に行った時、保育の仕方が違うことにとても驚きました。
それはなぜなのか。
ゴールが同じで、めざす方向が一緒でも、そこに至るまでのやり方が違ったからです。
その事に気づいた時、本当に驚き、保育とは実際を見てみないとわからないものなのだと、心底思いました。

自分の保育観に近い保育園を見つけても、実際にはそれを実現する為にどんな保育を行っていあるのか、必ず自分の目で確かめて下さい!

私のように、言葉は一緒でも保育方法がまるで違うなんて事にならないように、です。

保育士の裁量の大切さ

保育の方針、目標が自分の保育観と合っていても、保育士の裁量があるのかどうかという事も大切になってきます。

保育士の裁量とは?

(スル)その人の考えによって判断し、処理すること。「君の裁量に任せる」「店の経営を一人で裁量する」
goo辞書 裁量

保育園というと、大体の行事は決まっています。
そして内容も、毎年同じという事も多いと思います。
しかし、その年によって子どもの姿も違いますし、担任の保育士も違います。
その時、どこまで保育士の決められる事があるのか?がとても大事になってきます。
伝統のある保育園だと「毎年こうだから」「変える事は出来ない」と、変化する事を拒む雰囲気があるかもしれません。

もちろん、伝統のある行事は大切です。
毎年見ていて、それを年長児にやるのを楽しみしている子どもたちもいると思います。
大きな行事は無理かもしれませんが、日々の保育の中でも保育士が自由に決められる範囲はどこまであるのか、そんな雰囲気が保育園にあるのかどうか、保育園を探す時に大事な事の1つとして考えて下さい。
制限された窮屈の中で保育する事は、子どもの主体性を育む為にも、保育士の向上心の為にもなりません。本当にストレスです。

もちろん、何でも自由がいいというわけには行きません。
しかし、やってみたい事をやれる雰囲気、話せる関係というのはとても大事です。
決められた事だけを実行していくのでは、受け身の保育になってしまいます。

子どもたちの「やってみたい!」という気持ちを実践出来るようにするには、ある程度の自由が必要です。予定にない遊びや、園外保育など、子どもたちの気持ちが高まった時に実行出来るのが理想だと思います。

保育において保育士の裁量がどこまであるのか、保育園を探す時に私はとても大事な事だと思います。

自分に合っていない保育園で働く苦しみ

もし、働き出してから自分の保育観と保育園の保育方針、保育目標又はそれに至るアプローチ方法が違っていた場合、どうなるでしょうか?

社会福祉法人1年目で途中退職

社会人経験から保育士

私は社会人を経験し、独学で保育士試験に合格して保育士になりました。
将来は自分で保育園を作るのが夢でした。
20代後半で保育士になり働き始めましたが、その保育園は子どもの主体性を大切にする方針でした。
子どもの姿から日々の保育を計画したり、行事を子ども自身が考え実行する姿が魅力的でした。
私は0歳児の補助として、特に障害のある1人の子の加配としての仕事が任されました。
保育士なので、障害のある子と関わる必要性がある事は理解していましたし、保育士として初めてなので1人の子とじっくり関われるのは園側の配慮があるのかなと思いました。
しかし、クラスの会議などで発言をしても「それはちょっと出来ない」「今までのやり方がある」と、却下されてしまう事が続きました。
ほとんどの保育士さんは私よりも年下です。私は皆より年上ですが、保育士1年目の自分の意見など取り入れてもらえないと感じてしまいました。
また、1人の障害の子と関わっている事で、同じクラスの保育士たちとのコミュニケーションが取りづらくだんだん疎外感を感じていき、毎朝起きるのが苦痛になってきました。
しばらくして病院を受診し、『適応障害』と診断され退職しました。

上記保育士と同じクラスのリーダー

この保育園勤務7年

私のクラスに、社会人経験ありで年上の新人保育士が入ってきました。
とても穏やかでやる気もあり、頼もしい存在だと思っていました。
しかし、この保育園のやり方や考えをあまり理解せず、自分のやりたい事ばかり提案してくるのです。その度に「それはうちの園のやり方とは違う」と、会議の中で却下する事になり、私も苦痛でした。もっとこの保育園の保育方針や、子どもへの保育の仕方などを理解して欲しかったです。
彼女には理想の保育園ややりたい保育があるのはわかりましたが、正直それはこの園とは真逆の、きっちりと決めた幼稚園的なやり方なのかなと感じました。
彼女が苦しんでいるのはわかりましたが、私にはどうする事も出来ずに、退職するのを見送るしかありませんでした。

株式会社保育園2年目で退職

複数園経験あり

新卒から何園か経験し、結婚して子どももいる為に通勤時間や働きやすさを重視して就職先を決めました。特にすごい特色があるわけでもなく、ごく普通のありきたりな保育園だと思っていました。
園庭がない保育園だったので室内で過ごす事が多かったのですが、保育室の環境や玩具がいつも同じで子どもたちも飽きてしまい、トラブルが起こる事が多かったです。
他の担任の保育士はその事に疑問を思っていないのか、私が率先して絵本の入れ替えをしたり、子どもが遊びこめるように閉まってある玩具を時々出したりしていました。
しかし、それでも玩具の量や種類が少なく毎日同じ事の繰り返しなので、玩具を組み合わせて遊びが広がるようにしていたら、園長からそれは駄目だと言われました。1種類の玩具は他と組合合わせずにそれだけで遊ばないと駄目だと…。
この保育園での勤務年数が少ないので、それに疑問を感じましたが園長には何も言えませんでした。
行事も毎月、毎年同じ事をやっていて、「これは子どもにとって意味のある事なのか?」「保育士の自己満じゃないのか」と、思う事が多々ありました。
それまでの保育園は、保育士が子どもの様子から色んな意見やアイデアを出し合って保育していたので、この園の決まったやり方がとても窮屈に感じてしまいました。
また、他の保育士はこの園に長年勤めている人が多く、こんな気持になっているのは自分だけなのかと感じ、相談する事も出来ませんでした。
働きやすく人間関係もよい職場でしたが、年度末の区切りを持って退職しました。

保育観が合わなかったり、保育士の裁量がない保育園で勤務するとこんな事が起きる場合があります。
合わないという事は、思っている以上に苦痛な事で退職理由にもなりうるのです。

自分に合った保育園を探して就職しよう

保育園を選ぶ時、給料や通勤時間などを重視する人が多いと思います。
しかし、それと同じように保育方針、保育目標が自分の保育観と合っているかを調べて欲しいです。
そして実際にどのような保育をしているのか、保育園を見学して下さい。
就職してから気づく事もあると思いますが、就職前に出来るだけミスマッチを避ける事も大切です。

みなさんの保育園探しが納得出来るものになりますように。


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  • この記事を書いた人

あや先生

認証保育園2年、認可保育園で正社員として10年間勤務しました。その他、派遣保育士として3園での勤務経験もあります。2児の母でもあり、正社員時代に産休、育休を経て復帰もしました。正社員の立場、派遣の立場、母として、保育士として、様々な経験から保育士の皆さんの力になりたいと思っています。

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