子どもの頃から保育士になりたかった、出産してから保育士の資格を取ろうと思ったなど、保育士になりたいと思った動機は人それぞれです。
しかし、実際働いてみると「想像と違った」「やりがいはあるけど仕事量についていけない」など悩みも生まれてきます。
なりたいと思って取った保育士という資格。
正社員は辛いけど、保育士を辞めてしまうのは未練がある…そんな人もいると思います。
そこで、正社員以外で保育園で働くという選択肢を考えていこうと思います。
正社員保育士は辛い。だけど仕事は好き!

保育士の仕事は様々なスキルが求められます。
もちろん専門的な知識や技術は当たり前ですが、意外と重視されるのが書類やおたよりなどを作る文章力、壁面や玩具などを作る画力や裁縫力、シフト勤務出来る体力です。
そして人間関係は対子ども、対職員、対保護者とあらゆる事に気を張って仕事をしています。
正社員勤務の何が辛いと感じるかは人それぞれ違います。
正社員は責任が重すぎる
正社員保育士となると、新人でもいち保育士としての責任があります。
子どもに怪我をさせてしまったら?
もし重大な事故が起きたら?
散歩中に子どもがいなくなってしまったら?
など、考える程不安になると思います。
保護者に怪我を伝える時は緊張しますよね…
シフト勤務だと、担任ではない、あまり面識のない保護者に怪我の事を伝えることもあります。
自分のした事ではないけれど…とにかく誠実に謝罪するしかありません。
それに加え、自分のクラスの事でも、パートや補助の保育者が見ていた怪我や事故でも、担任としての責任で自分で伝えなくてはなりません。
正直これは辛いです。パートや補助の保育者には感謝していますが、怪我が続くと信頼関係も崩れます。
実際に保護者に怪我を伝えて謝罪するのは正社員なので、怪我に対する緊張度というか、深刻度はどうしても差が出てきてしまうように感じます。
正社員はシフト勤務が負担
保育園の開園時間は7時~20時など、長時間の所が多いです。
正社員の多くはシフト勤務で、パートは固定勤務の所がほとんどではないでしょうか。
例として7時~20時開園の保育園を例に見てみます。※8時間勤務、1時間休憩
最初の出勤時間は6時45分となります。(7時出勤の園もあると思いますが…)
そして最後の出勤時間は11時45分となります。
その差は5時間あります。
週毎、日毎、シフトに関しては保育園で違っていると思いますが、生活リズムが乱れやすくなります。
特に最初の出勤は保育園の鍵を開けなければならないので、絶対に寝坊や遅刻が出来ないというプレッシャーがすごいです。
寝坊して保育園の鍵開けが間に合わなかった!という夢を見るのは、保育士のあるあるかもしれません…
正社員は残業が多い、休憩が取れない
保育士あるあるですが、定時で帰れる日は多くないと思います。
特に書類に締め切り前は、残って書類作成をしたり、行事前は制作をしたりと、保育中の時間では出来ない仕事をやっています。
勤務後残れない人は、勤務前に早く来るか、休憩時間を削って仕事をしていました。
どうやっても自分の時間は削られるので、勤務前、休憩を削る、勤務後と、人によって違うだけでみんな残業していました。
後、どうしても保護者に直接会って話をしなければならない時は、自分が早番でもその保護者のお迎え時間まで残って対応する事もありました。
これらの時間に残業代が出る保育園は多くないでしょう。
そうなるとこれは無給です。
ボーナスが多い保育園に勤務している時は、なんとか気持ち的に納得するようにしていましたが…
正社員は保護者対応が辛い
保護者と信頼関係を築くのも、仕事の大切な1つです。
しかし、まだ若い保育士や、未婚、子どものいない保育士は正直信頼関係を築くのには時間がかかる場合もあります。
保育園を信頼している、理解のある保護者ばかりではありません。
私の実体験としてあったのが、こちらです。
・お気に入りの保育士とはフレンドリーに話すが、気に入らない保育士には難癖つけてくる保護者
・若い保育士が対応しようとすると、すぐに年配の保育士はいないのか、と若い保育士の話を聞こうとしない
・仕事中でも子どもの様子が心配で何度も電話をかけてきたり、こっそりと見に来る
・いきなり怒鳴りつけてくる
・自分に落ち度があっても保育士のせいにする
・クラス運営や保育のやり方について口を出してくる(言うこと聞かないと園長にクレーム言うよというニュアンスで)
まだまだ言い出したらきりがないくらいです…
保護者とはよい関係を築きたいと思っていても、難しい場合もあるのが正直な所です。
このような保護者とも毎日顔を合わせて会話するわけですから、本当にストレスになります。
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派遣保育士という選択肢

1番大きく仕事内容として変わるのは、担任を持つかどうかではないでしょうか。
もちろん正社員でも担任を持たずフリーとして働く人もいますが、担任が休みの時には担任の代わりとしてクラスに入ったり、書類や保護者対応など、クラス担任と同じ仕事をします。
担任クラスを持つか持たないかでは、仕事量は大幅に違ってきます。
派遣・パートでは、まず担任を持つことはないです。
派遣の場合契約内容では担任を持つこともありますが、正社員の担任とは仕事量が少なく、内容も簡潔な物が多いです。
派遣やパート保育士としての主な仕事は、
・子どもの見守り
・食事の配膳など保育環境整備
・掃除
・(場合によっては連絡帳の記入)
のみです!
正直に言うと、正社員よりも子どもと一緒にいる時間が多いと思います。
正社員は会議や書類記入、制作準備などで子どもと一緒に居る時間以外の仕事も多いからです。
正社員保育士と派遣・パートの上下関係
正社員と派遣・パートの保育士では明確な上下関係があります。
年齢関係なく、正社員の方が上です。
ただ、上下関係といっても正社員が威張っているとか、命令してくるとか、そういう事ではありません。
日々の保育において、年間計画から月案・週案、個別保育計画などを考えるのは正社員の担任です。
派遣やパートはそれを理解し、正社員を補助するのが仕事です。
なので「~~して下さい」「〇〇ちゃんにはこのように関わって下さい」など、指示されることが多いです。
派遣・パートにとってみれば「?」と思うこともあるかもしれませんが、お願いされたことには必ず理由があります。
納得出来ない指示や、疑問があれば質問し、その理由に納得出来れば指示も受け入れやすくなります。
ただ言われただけをやるのが補助の仕事ではありません。
何故そうするのか、その意図を理解する事で、よりよい保育へと繋がっていきます。
ただ、あまり指示をしない正社員もいます。
その時はこちらから何をすればいいのか、どんどん聞いていきましょう。
聞くばかりでなく、自分から仕事を探すも大切な事です。
派遣・パート保育士だからここが大変!
正社員と派遣・パートの仕事の違いは記述しましたが、派遣・パートだからこそ大変な事もあります。
・掃除が多いので体力的にキツイ
→掃除機、モップがけ、しゃがんでトイレ掃除など、広い保育園を毎日掃除するのは体力を使います!
・パート同士の人間関係
→正社員には文句はいいませんが、同じパート仲間でライバル意識を持っている人もいます。
特に年配、古株のパートの先生は若いパートへの当たりがキツイ時があります…
・指示がまちまち
→正職員によって指示が違う事があり、これは非常に困ります。
「〇〇先生に言われた通りやっていたら、△△先生にやり方が違うと言われた」なんて事もよくあります。
・給料が低い
→当たり前ですが、正社員より給料はぐっと下がります。
派遣でもボーナスはないので、フルタイム勤務だとしても正社員の時よりはかなり少なくなるのを覚悟しましょう。
ただ、残業や行事準備などなくなるので、空いた時間を有効活用出来るメリットもあります。
やっぱり保育園で働きたい!

正社員は辛いけど、保育士として保育園で働きたい!
色んな事はあるけれど、子どもたちは可愛いし、保育士という仕事にもやりがいがあると感じている人も多いはずです。
給料は減ってしまうけど、派遣・パートで働く選択肢も考えても良いと思います。
ずっと正社員で働いてきたから、派遣・パートになったら掃除ばかりでつまらなそう…と感じるかもしれません。
しかし、派遣・パート保育士だからこそ楽しい事ももちろんあります!
派遣・パート保育士のやりがい
なんといっても圧倒的に子どもと一緒にいる時間が多いです。
正社員の時は書類作成や会議など、保育室にいない時間も多かったです。
その間、派遣・パートの保育士に子どもたちをお願いすることになり、正社員なのに子どもと一緒に居られないことにジレンマがありました。
けれどもいざ自分が派遣として働いてみると、こんなにも子どもたちと一緒に居られるなんて!と良い意味でカルチャーショックでした。
子どもを膝にのせてじっくりと絵本を読んだり、子どもたちの疑問や質問に一緒になって調べたりと、正直正社員の時には感じられなかった充実感がありました。
私がそうやって子どもに関わっている間、やはり担任の正社員の保育士は書類を書いたり制作の準備をしていました。
それに、派遣・パートの保育士は子どもたちから人気があります!
なぜなら正社員の担任のように厳しくないし、優しいからです笑
正社員の時は、全体の流れや保育士の連携など、色んな事を常に考えて保育をしていました。
それで焦ったり、イライラする事もありましたし、派遣・パートの先生とこの気持ちが共有出来ずについ愚痴った事がありました。
当時主任の保育士に、「子どもにとっては、複雑な事を考えず自分だけを見てくれる存在って大切よ」と言われ、子ども目線に立った時に派遣・パートの保育士の存在についてハッとさせられました。
なので自分が派遣として働いた時は、正社員の大変さを理解しつつ、目の前の子どもとじっくり関われる事になにより幸せを感じていました。
保育士は一生働ける資格
保育士は正社員でも、派遣でも、パートでも働ける資格です。
若い時、子育て中、子どもが巣立った後、自分のライフプランに応じて働き方も変化する事が出来ます。
別の業界に転職しても、資格があればまた戻って保育士として働く事が出来ます。
1度辞めても再就職しやすいのも、メリットだと思います。
保育園といっても、園によって働きやすさや雰囲気も様々です。
自分に合った保育園、働き方を探して、是非満足の行く保育士としてのキャリアを築いていって欲しいと思います。
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