保育士の給料

保育士の給料は安い?その理由と給与を上げる方法

2021年2月15日

保育士の仕事が好き、やりがいを感じていると思いながらも、給料が安い事に不満を持っている人も多いと思います。

そこで、本当に保育士の給料は安いのか、そして保育士をこれからも続けるために給料を上げる方法はないのか調べてみました。

保育士の給料は本当に安いのか

保育士は給料が安い!と、ニュースやネットで言われています。しかし保育業界にいると、保育士の給料が本当に他業種と比べて安いのか、中々知る機会がありません。

慌ただしく日々を過ごし、給料に不満を持ちながらも仕事を続けている人も多いと思います。

また、保育士の給料はどうせ安いから・・・と、あきらめてしまっている人もいるはずです。

そこで、他業種と比較して、本当に保育士の給料は安いのか調べてみました。

他業種と比較してみる

順位職業年収(万円)平均年齢(歳)月収(万円)年間賞与等
1位医師1,232.742.195.290.3
2位航空機操縦士1192.143.289.4119.9
3位大学教授1051.357.664.5277.9
4位公認会計士、税理士1042.540.769.2212.3
5位弁護士1029.039.763.5267.0
6位大学准教授861.847.854.3209.7
7位記者822.138.851.7202.1
8位不動産鑑定士777.748.049.0189.4
9位歯科医師757.137.960.531.6
10位大学講師708.443.547.0144.3
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95位栄養士345.535.024.057.4
96位歯科衛生士342.635.125.141.3
97位保育士342.135.823.066.3
98位紙器工342.041.625.437.8
99位幼稚園教諭341.733.323.263.8
100位建具製造工341.542.425.831.9
※2017年度
東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/212579
厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10701000-Daijinkanboutoukeijouhoubu-Kikakuka/shiryo2-9.pdf

保育士の平均年収は342.1万円!

こうして比較してみると、順位は低いですが年収は思ったよ低いように感じません。

しかし、これは公務員の保育士も含めた金額で、さらに園長など役職についている人も含まれています。

なので多くの保育士はこの給与には当てはまらず、もっと低い年収になるはずです。

更に、地方は首都圏よりも保育士の給料が低いという実態があります。

都道府県別に比較してみる

順位都道府県名平均年収順位都道府県名平均年収順位都道府県名平均年収
東京都434万円17大阪府349万円33鹿児島県333万円
京都府407万円18滋賀県348万円34長野県332万円
千葉県397万円18熊本県348万円34静岡県332万円
神奈川県384万円20宮崎県346万円36高知県331万円
岡山県381万円21佐賀県344万円36新潟県331万円
広島県379万円22大分県343万円38島根県327万円
福岡県377万円22奈良県343万円38徳島県327万円
石川県368万円24山口県342万円40茨城県326万円
兵庫県366万円25三重県341万円40秋田県326万円
10愛知県365万円25山梨県341万円42鳥取県321万円
11青森県364万円25北海道341万円42富山県321万円
11岐阜県364万円28福島県339万円42福井県321万円
13群馬県360万円29香川県338万円45沖縄県319万円
14長崎県358万円30愛媛県337万円46宮城県317万円
15栃木県357万円31岩手県336万円47山形県312万円
16埼玉県356万円32和歌山県335万円

1番給料が多いのは東京都で433万円、1番少ないのは山形県312万円で、その差は121万円もありました。

保育士に限らず、地域ごとに給料の差はあるので一概には言えません。

その中でも、保育士の平均年収の342.1万円を下回ったのは24都道府県でした。

なぜ保育士の給料は安いのか

そもそも、なぜ保育士の給料は安いのでしょうか。

保育士は国家資格であり、その業務内容も多岐に渡ります。

保育所における保育士は、児童福祉法第 18 条の4の規定を踏まえ、保育所の役割及び機能が適切に発揮されるように、倫理観に裏付けられた専門的知識、技術及び判断をもって、子どもを保育するとともに、子どもの保護者に対する保育に関する指導を行うものであり、その職責を遂行するための専門性の向上に絶えず努めなければならない。

保育所保育指針解説 厚生労働省 平成30年

 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000202211.pdf

保育士として働いてみると、仕事の量と幅に驚く事があると思います。

世間一般の『子供と遊んで楽しそう、簡単そう』というイメージと実際は全く違います。

子どもの発達を理解しそれを見据えた書類作り、保育環境作り、行事の実施、日々の保育の準備、園全体の会議、クラスや調理師との会議、おたより帳や日誌の記入など、様々なことをやりつつ、日々の保育を行っています。

保育中もただ遊んでいるのではなく、常に子どもたちの安全を確認し、体調や発達、情緒の変化に気を配りながら、声掛けや遊びの見守り、発展を促しています。

そしてこれらを1人で行うのではなく、他の保育士と連携を取って行わなければなりません。

どんなに保育の知識、遊びの技術が有ろうと、保育は1人で決して出来ません。

近年はこれらに加え、保護者支援も大切な保育業務の1つとなっています。

では、これらの多岐に渡る業務が必要なのに、何故保育士の給料が安いのでしょうか?

保育士の歴史

明治から大正にかけて婦人労働確保のや、貧困から親の保護を失った子どもの為に保育所が各地で出来、社会事業施設として認知されて行きます。

その後戦争孤児や、女性の社会進出が進み、昭和22年に児童福祉法が制定されました。

この頃幼稚園はすでにありましたが、そこは裕福な家庭の子どもが教育を受ける場で、誰でも行ける場所ではありませんでした。

保育所は、孤児や母親が労働の間面倒を見きれない子どもたちにも、幼稚園のような場を与えてあげたいという思いから作られました。

なので、保育所=子守という認識はこの頃から続くものだと思います。

しかし、現代の保育所は決して子守の代わりの場ではありません。

3歳以上児の教育的機能に関しては、保育所保育指針は、幼稚園教育要領との整合性を図りながら規定されています。

現代の保育所は養護だけでなく教育の場としても一体となり、子どもの育成に努めるよう定められています。

運営組織によっても給料の差がある?

保育所での就職や、転職しようと思い調べると、保育所といっても色々な種類があります。

まず1番大きいのは、認可園か無認可園か。

そして次に認可園の中でも公立か、私立か。

公立園は、市区町村が運営しているので、働いている保育士は公務員です。

そして私立園は民間の様々な母体が運営しています。

社会福祉法人、株式会社、学校法人、NPO法人などです。

イメージ的には、公立保育園の保育士は公務員なので給料が高いイメージがありますが、実際はどうでしょうか。

運営組織によっても給料差があるのか、調べてみましょう。

公立保育園と私立保育園の給料の差

職種           公立年収         私立年収           
施設長   759万円679万円
主任保育士674万円507万円
保育士363万円362万円
平均599万円516万円

 

令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果 https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/data/pdf/chousa/kekka.pdf

これを見ると役職ないの保育士の平均年収にはありませんが、主任保育士で167万円、施設長で80万の差があります。

これらを合計すると、やはり公務員保育士の方が給料は高いことになります。

公立保育園を運営しているのは自治体です。そこで働く保育士は地方公務員となり、給料は各自治体が定める給料表によって決められ、毎年一定の金額で上がっていきます。

私立保育園を運営しているのは、社会福祉法人や株式会社などの民間団体です。

国や自治体の補助によって運営され、人件費も各団体で決められています。

しかし公務員のように、役職や勤続年数に応じた補助金増額は近年までありませんでした。

このことから、公立保育園と私立保育園では給料の差があるのが現状です。

また、福利厚生や有給の取りやすさなども考えると、公務員保育士の方が手厚い印象を受けます。

私立保育園の運営組織って何?

先程記述したように、私立保育園といっても、運営団体は様々です。

主な運営団体の違いをまとめてみました。

運営団体事業目的種類所轄庁
社会福祉法人社会福祉事業を目的として設立された法人非営利団体厚生労働省または都道府県
株式会社株で資金調達をし、そこで得た資金で経営営利団体なし
学校法人私立学校の設置を目的として設立される法人運営に必要な範囲での収益事業は可文部科学省または都道府県
NPO法人20種類の分野に該当する活動で、不特定かつ多数のものの利益に寄与することを目的特定非営利活動法人都道府県

それぞれ設立の目的や、それに応じた補助金の違い等はありますが、保育士の給料の差はあるのでしょうか?

運営団体給与月額勤続年数
社会福祉法人 
施設長
保育士
547,834円
258,901円
25.3年
10.4年
株式会社
施設長
保育士
346,324円
227,781円
10.4年
4.1年
学校法人
施設長
保育士
395,806円
217,167円
11.7年
5.4年

※常給与には、月額給与の他、賞与の年額の1/12が含まれる。

幼稚園・保育所等の経営実態調査結果 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/163-1a.pdf

株式会社と学校法人はそれほど差はありませんが、社会福祉法人は施設長の給与月額とは20万以上の差があります。それはなぜかというと、勤続年数が他とは10年以上開きがあるからです。

株式会社や学校法人は2000年の規制緩和によって保育業界に参入しているので、社会福祉法人よりも勤続年数が短い人が多いです。それに加え、急激に保育園数を伸ばしているので、既存園の施設長が新設園の施設長になることが多いです。

そうなると、既存園の次の施設長は更に若い方がなる事になります。

勤続年数が短いと給料も低くなるので、株式会社と学校法人の施設長は社会福祉法人よりも勤続年数、給料ともに差が出るのは当たり前ですね。

別の見方をすれば、株式会社や学校法人の方が20代で主任、30代で施設長になりやすいということです。

早くからキャリアップしたい方には選択肢の一つとなると思います。

保育士の給料は年々上がってるって本当?

低いとずっと言われている保育士の給料ですが、それでも少しずつ改善されています。

待機児童が問題になったり、保育士不足が叫ばれる中、保育士の処遇改善を求める声が昔よりも上がっていると思います。

そこで保育士の給料は本当に上がっているのでしょうか。

処遇改善手当とは

正式には処遇改善等加算という制度が平成27年から始まりました。

その中にも処遇改善等加算Ⅰと処遇改善等加算Ⅱと分かれています。

それぞれ目的条件が違ってくるので、詳しく見てみましょう。

・処遇改善等加算Ⅰ

平均勤続年数に応じて給料ぼベースアップや賃金改善されるしくみです。

これは非常勤やパート職員も対象になります。

基礎分、賃金改善要件分、キャリアパス要件分で構成されています。

下はイメージ図です。

処遇改善等加算Iの加算率

内閣府子ど・子育て本部 https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/administer/setsumeikai/h300820/pdf/s1-1.pdf

・処遇改善等加算Ⅱ

保育園には役職は園長や主任しかなく、キャリアアップしにくい環境でした。

そこで副主任、専門リーダー、職業分野別リーダー、若手リーダーなどの役職が新設されました。

それぞれの条件の違いはありますが、要件を満たしキャリアアップ研修を受講することで、役職に就くことが出来ます。

内閣府・子ども子育て本部 https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/administer/setsumeikai/h300820/pdf/s1-1.pdf

しかし、注意しなければならないのは、この処遇等改善手当は保育士個人に直接支払われる金額ではないということです

保育園側がまとめて受け取り、いくら分配するかは保育園が決めるのです。

更に利益優先で、人件費ではないところに使用している保育園もあるようです。

また、各自治体で独自の処遇改善手当を出しているところもあります。

・東京都 保育士等キャリアアップ補助金・東京都保育サービス推進事業補助金についてhttps://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/smph/kodomo/jigyo/kyaria-hoiku.html

・千葉県 保育士処遇改善事業 https://www.pref.chiba.lg.jp/zaisei/press/h29nendo/documents/4_2906kodomo.pdf

・神奈川県 処遇改善等加算等について 

https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kosodate-kyoiku/kosodateshien/shinseido/shogu/2020syogu.html

この他にも様々な自治体が保育士確保の為に補助を出しています。

自分の自治体や、転職を希望している自治体にどんな制度があるのか、調べてみるのもいいと思います。

保育士の給料は上がる!

これまで調べてきたことから、保育士の給料は年々上がっていること、そして地域差や運営会社の違いがあることがわかりました。

自分の給料を上げたい人にとって大事なことをまとめました。

働く保育園を自分で見極めよう!

まずは、働きたい保育園を自分でしっかりと見極めましょう。

給料に主に大きく関わるのは以下の点です。

・公立か私立か

・私立の中でも認可園か無認可か

・運営会社はどこか

・処遇改善手当がいくら支払われているか

他にも、有給取得など働きやすや、自分の考えと合っている保育目標など、様々なことを考えて働く場所を選んで欲しいです。

・給料はいいけど、残業が多く体力的にきつい

・自分の考える保育のやり方と違っていて、日々の保育が苦痛

など、給料面だけで保育園を選ぶと失敗する場合もあります。

もちろん、働く上で給料は大事です!しかし、そのことばかりに注視するのはあとで後悔することになりかねません。

保育士にとって転職はメリットか

保育園というと、そこで長年勤めてベテランになって園長になる。というのが王道かもしれません。

転職を何回もしていると、問題がある人物ではないのかと見られることもあると思います。

求人にも、『転職○回まで』という記載があるのも事実です。

保育士にとって転職はデメリットなのでしょうか?

メリット

・色々な保育園を見ることで、自分の保育のやり方、考え方をアップデート出来たり、自身を持つことが出来る

・キャリアップの為によい条件の保育園で働ける

・人間関係や職場環境をリセット出来る

・給料や有給の取りやすさなど、自分の望む保育園で働ける

・モンテッソーリやレッジョ・エミリアなど、特色のある保育をしている保育園で働ける。

私も実際何度か転職し、色んな保育園で働いたことは良かったと思っています。

しかし転職のデメリットもあります。

デメリット

・最初は給料が下がる場合がある

・一定期間働かないと有給が付与されない

・新たに人間関係を築かないといけない

・新たに保育園のやり方やルールに馴染む必要がある

メリット、デメリットはありますが、今の職場がつらいと感じている方は是非転職を考えてみてはどうでしょうか。

苦痛を抱えながら働くことは、精神的に本当につらい事です。

保育園は全国どこでもたくさんあり、中身は本当に様々違いがあります。

この園では常識な事が、別の園では非常識な事だった。なんてこともたくさんあります。

1つの保育園にいると、そこでのやり方がすべてに思えてしまうし、保育園ってこんなところなんだ・・・と思いがちですが、そうではありません!

保育園以外でも、保育士として働く場所はあります。

転職によって、笑顔で働ける場所が見つかることを願っています!

おすすめの転職サイト

この3つは必ず登録しておきたい転職サイトです。

保育士バンク

運営会社 設立 拠点
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あや先生

認証保育園2年、認可保育園で正社員として10年間勤務しました。 派遣保育士として3園での勤務経験もあります。 1児の母でもあり、正社員時代に産休、育休を経て復帰もしました。 正社員の立場、派遣の立場、母として、保育士として、様々な経験から保育士の皆さんの力になりたいと思っています。 現在は不妊治療の為退職し、第2子妊娠中です!

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